2015年8月1日土曜日

Prologue

Prologue








(私、ニューヨークに来ちゃったんだ…)

なんだか急に胸のドキドキが高まってくる。
ニューヨークには2回ほど遊びに行ったことがある。
けれど、今回の目的は違う。
私はこのニューヨークでパパと暮らすためにやってきたのだ。
構内を歩いていると、不意にそばにいた人が携帯を取り出し、カメラのシャッターを押す。
つられて、私はその人がカメラを向ける方を見る。
そこにいたのは、ブロンドのロングヘアの女の子。
パッと目を惹く華やかな雰囲気が彼女を包んでいる。
女の子は写真を撮られたことには気づいていない様子で、足早に私の横を通り過ぎていく。

(綺麗な女の子。もしかして、女優さん…かな?)

つい見とれて、私は彼女の後ろ姿を目で追ってしまう。
彼女は歩きながら、バッグの中の携帯を取り出す。
すると、バッグの中から何かが床に落ちる。

「あ…」

彼女は落としたことに気づかず、携帯で話しながら歩いて行ってしまう。
私は急いで、落し物に近寄る。
落ちていたのは小さな紙袋。
私はそれを拾い上げ、彼女の姿を探す。

(あ!いた)

人ごみの中を歩いていくブロンドのロングヘアが見える。

「ねえ。ちょっと!」

彼女は私の声には気づかず、そのまま出口へと向かっていく。
私は慌てて、後を追った。

辺りを見渡すと、通りの向こう側を歩いていくブロンドヘアの女の子が見える。
私も通りを渡り、通行人の間をすり抜けて走って、やっと彼女に追いつく。

「ねえ、待って!」

彼女は気づいて、こちらを振り返る。

「これ…」

私は彼女に紙袋を差し出す。

??「え?これ」

「さっき、駅で落としたでしょう?」

はあはあと弾む息を抑えながら、私は言う。
紙袋を受け取ると、彼女の顔にぱっと華やかな笑みが浮かぶ。

??「ありがとう!」

彼女はいきなり、私をハグする。

(え?!)

??「わざわざ駅から追いかけて来てくれたのね」

「え、ええ…」

初対面の女の子…しかもとびきりの美人にハグされて、私はすっかりドギマギしてしまう。
彼女はゆっくり私から離れる。

??「これ、弟へのプレゼントだったの。あなたのおかげで弟をがっかりさせずにすんだわ」

「そう。よかった」

なんとか私は返事を返す。

??「本当にありがとう!じゃあね」

私は歩いていく彼女を見送って、「はぁー」と息をつく。

(拍手とかハグとか、こっちの習慣にも慣れていかなきゃ)

「あれ?」

ふと気がついて、私は辺りを見回す。

(ここ、どこ?)

慌てて彼女を追いかけてきたせいで、今いる場所がどこなのか全くわからない。

(えっと、駅はあっちだったっけ…?)

??「ねえ」

声の方を振り向くと、さっきの彼女が立っている。

??「もしかして、道に迷った?」

「…そうみたい。私、今日、ニューヨークに来たばかりで」

??「そうなんだ」

彼女は腰に手を当て、「私に任せて」という顔で私を見る。

??「で、どこに行きたいの?」

「パレスホテル」

??「パレスホテル?」

彼女は少し眉間にしわを寄せて、困ったような複雑な顔をで和私を見る。

??「それって…」

彼女はゆっくり傍らの建物に目をやる。
私も同じようにそっちを向く。

「え?!」

そこにはどこかで見たような特徴的な門、そして奥には石造りの建物…。

「ここ、パレスホテル?」

??「そう。ここ」

私たちは顔を見合わせて笑う。

??「あなた、ここに泊まってるの?」

彼女は笑いながら私に聞く。

「ええ。もしかして、あなたも?」

??「そう。仮住まいだけどね。私は、セリーナ。あなた、名前は?」

「⚪︎⚪︎よ」

セリーナ「よろしく、⚪︎⚪︎」

「こちらこそ」

ホテルの前で私たちは改めて握手を交わした。





夢回南朝をはじめてみた!!!

お久しぶりですヽ(・∀・)ノ 1年前購入したBloggerのアプリ使おうとすると なぜか落ちてしまいイライラ。 ということでPCから更新! 画像がめんどくさー 実は今絶賛ゲームにハマり中(*´艸`) 今までやってたゲームは今はやってなくて (でも...